「水タイプ」は、言葉通り「水の性格を示すことば」です。日本では、よく人の性格を「血液型別」にグループ分けしたり、「県民性」を区別したり比較したりしますが、水タイプもそれと同じで、どういった基準で何を見ているのかが数字で示されています。今回は、水道水やミネラルウォーターに表示される基本的な水タイプについて紹介します。
◆水のタイプを示す言葉◆
水道水も含めミネラルウォーターのラベルには必ず登場する言葉があります。それは『pH(ペーハー)』と『硬度(こうど)』です。日本の場合ボトルウォーターのラベルには、この基本的な水タイプが2つ書かれています。
【pH】・・・水の酸性度とやアルカリ度を示す単位
『pH』は、水の酸性度(味覚としては酸味)やアルカリ度(味覚としては苦味)を示す単位です。子どもの頃、理科の実験で酸性・中性・アルカリ性を調べるリトマス試験紙で実験したのを覚えていますか?レモンの絞り汁のように酸度が高いものは、pH値は小さくなります(0~6)。逆にコンニャクのようにアルカリ度の強いものは、pH値は大きくなります(8~14)。また牛乳のように酸性でもアルカリ性でもないものは、中性といってpH値が限りなく7に近づきます。
【硬度】・・・MgとCaの量を示す単位
また『硬度』は、水(1L)に含まれているカルシウムとマグネシウムの量を示す単位です。水の硬度が120mg未満であれば、軟水。120mg以上あれば硬水となります(WHO基準値による)。硬度は公式を使って計算しますが、公式があると応用ができて便利なのでここで紹介しておきますね。
<公式>
水の硬度=(カルシウム量mg/L×2.5)+(マグネシウム量mg/L×4)
日本の場合、水道水の硬度平均は約50mgと典型的な「軟水王国」です。帰国するたびに思うのですが、日本のお水って本当にまろやか!それに、水道水ひとつとっても水質管理が素晴らしく、安心して安全な水を飲むことができます。しかもそのまま、飲料水として使えるなんて!日本に居ると意識することはないかも知れませんが、世界には水道水が飲めない国も多いのです。
【水タイプを示す単位は硬度だけではない】
pHや硬度はよく耳にする言葉ですが、それだけが絶対的な水タイプを示す言葉ではない、ということを覚えておいて下さい。水タイプを示す色々な基準や言葉は、その意味が分かるようになると数字に振りまわされることなくミネラル水の性質を正確に理解できるようになります。pHや硬度以外にもラベルに書かれた水タイプを示す言葉は沢山あります。
例えば『発泡』と『無発泡』。これは、水の中に炭酸成分が含まれているかどうかを示す言葉です。 また『温泉』『鉱泉』は、水に含まれるミネラルの量や湧水温度などを示す言葉です。日本では「温泉は基本、(お風呂として)入るもの」なので、ピンとこないかも知れませんが、ヨーロッパでは「飲泉(温泉を飲むこと)」が基本文化としてあるため、温泉もまた「ミネラル水」の一種であるというふうに考えます。