それでは、今日は最後に少しイタリアの水道水とミネラルウォーターについて紹介したいと思います。
イタリアの場合、人が口にできる飲料水の基準は政令(Decreto Legislativo 2 febbraio 2001 n.31)によって決められています。私のいるフィレンツェ市やトスカーナ州では「水道水を飲もう!」という取組みが盛んで、州人口の約45%が水道水を飲んでいます。
でもイタリア全土で安全な水道水が飲めるのか?というとそうではありません。残念ながら水道水の品質においては日本ほど恵まれておらず、イタリアでは水道水に含まれるホウ素やフッ素の量が多すぎて幼児や子どもに水道水を飲ませることを禁止している州や市町村もあります。また日本では0.01mg/L以下に規定されているヒ素も、EUでは20ug以下まで認められています※欧州委員会/指令98/83/ECによる
こういった水事情を含めて、イタリアは世界1のミネラルウォーター消費国となっています。裏を返せば、水道水質に恵まれないからこそ、水への意識も、水と健康に対する意識もとても高いのです。ちなみに、イタリア国内で流通しているミネラルウォーターの数は200~300種類。季節によっても、水源環境によっても、ミネラル水を汲み上げられる井戸の数が変動するため、銘柄数には幅があります。