ミネラル水の基礎知識

硬度とミネラル水の味

ここ数年、日本でもスーパーやコンビニ、あるいはネットショップなどを通じて「ミネラルウォーター」や「海洋深層水」「温泉水」など、実に色々なタイプの水が手に入るようになりました。その数、なんと約1000銘柄。

そこで、ここでは「硬度」をベースに水の味や特徴・使い方を紹介していきます。日本では「硬度」が水の味を決める決定的な基準のように理解されていますが、これは間違い。硬度は単純にマグネシウムとカルシウムの量を基に計算した単位で、他のミネラル成分とは無関係。ミネラル水の味を決定づけるのは、微量なミネラルの組み合わせです。硬度が高くても、実際に飲んで美味しい水というのもありますし、軟水であっても味が個性的で飲みにくいと感じる水は沢山あります。

水の味/特徴

使い方

軟水

100mg/l 未満

日本人になじみのある水の大半が軟水。

軟水はのどごしがやわらかく、まろやか。

水をそのまま飲むのに向いています。

日本料理、和風料理

緑茶・抹茶など

特に出汁をとるには日本の軟水がベストです

軟水は味がまろやかで、そのまま飲む水としては最も美味しく飲める水タイプです。日本の水道水の平均硬度(約50mg/L)と同等で、マグネシウムとカルシウムの量が極めて少ない水です。

水の味/特徴 使い方
中硬水

100mg以上300mg/l 未満

軟水と硬水の間の性質を持つ水です。

比較的飲みやすく適度なミネラル補給もできます

水道水の硬度基準(300mg/L)と同じレベルです

西洋料理、洋食メニュー

紅茶・珈琲など

また苦みの強いエスプレッソと相性が◎

極細パスタを茹でるのに使うとコシが出ます

特にスジ肉の煮込みや洋風スープ、ブイヨンをとるのに向いています

硬水

300mg/l 以上

欧米のミネラル水の多くが硬水。

硬度が高くなるほど、味も個性的になります。

硬水や中硬水は、味が気にならなければスポーツの後など大量に汗をかいた後に飲むと良いミネラル補給になります。でも硬度が高くなればなるほど、味も個性的になります。

もし水を買った時に「ちょっと苦手な味だなぁ」と感じたなら、この使い方を参考に料理水として使って下さい。

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竹村 和花

投稿者の記事一覧

温泉研究家(温泉学会 理事)/水ソムリエ(Idro-sommelier®)&水鑑定士(n.2689)/(社)日本旅行作家協会 正会員(トラベル・ジャーナリスト)
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わたしの専門は水。温泉やミネラルウォーターなど、ヨーロッパで古くから実践されてきた飲泉やミネラル水を活用したアクアセラピー(Idro-terapia)になります。2008 年にヨーロッパに活動拠点に移してから、温泉と源泉環境(地下水源環境)や伝統的な飲泉(温泉利用)・法環境をテーマに取材・研究を続けています。

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