「ミネラルがほんの少し含まれている水」が美味しい水と感じられるのに対して、カラダに良い水とはどんな水でしょうか。答えはカンタン。カラダに必要なミネラル成分がたくさん含まれている水です。
日本では、そういう水はたいてい「鉱泉」(湧き出す温度の低い温泉)と呼ばれている“温泉”になります。温泉でも水でも、そこに含まれるミネラル成分が多くなればなるほど、味は個性的なものになってゆくのですが、時には「美味しい温泉」というものもあります。
例えば、長野県にある毒沢鉱泉。ここの温泉は、さわやかなレモン水のような味がします。それから奈良県にある十津川温泉。ここの温泉は、出汁割の玉子水のような味がしてとてもおいしく飲めます。どちらも飲泉許可を取っている温泉ですので、旅先に選ばれた時はぜひ飲泉(温泉を飲む)されることをおすすめします。
また、イタリアでは温泉でありながら飲泉(温泉を飲むこと)にしか利用されない源泉もあります。こういった温泉は、紀元前の昔から病気の症状を軽くする“自然の薬”として飲まれてきました。そのため、現在でも病院などの医療機関でしか使われない温泉(飲泉)も少なくありません。また温泉でありながら、ミネラル水として売られている水もあります。
例えば、「水百花 mineral water図鑑」の中でも紹介しているサン・ペリグリノ。このミネラル水は、ベルガモの山間に残る飲泉専門の温泉地「サン・ペリグリノ・テルメ」がオリジナルです。きめ細やかな炭酸の気泡が示す通り、泉質は炭酸泉です。残念ながら温泉地は寂れてしまいましたが、世界中に名を馳せるブランド・ウォーターの正体は、サン・ペリグリノ・テルメの源泉水なのです。